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ジョニとミシュの旅

カーテンが閉じられていて部屋は薄暗かったが、外の音が昼っぽい。
ジョニはのそりと起き上がって時計を見ると午前10時だった。
秒針の音だけがひっそりと部屋の中を歩き回っている。
ソファからベッドのほうを見ると、ちえこの頭が布団から出ているのが見えた。
昨日は三人で酒を飲み、途中で斎藤が帰ったところまでしか思い出せない。
そのころにはちえこは酔いつぶれて、ベッドの隅でお祈りのような格好で寝ていた気がする。
部屋を出て流しで顔を洗っていると、ちえこが小さくうめいた。

「斎藤君帰ったのはなんとなく覚えてたんだけどな」
「僕も気がついたら朝だった」
ジョニはコップを洗い、ちえこが部屋を片付けていた。
外は晴れていて窓を開けると外の音が大きくなって流れ込んでくる。
「ジョニー、ごめん手紙、ちがう写真」ちえこが壊れた、と思った。
「僕より日本語乱れてる」
そもそもジョニは日本語しか話せないのだが、ちえこの手元を覗きこんだら動きが止まった。
あーとだけ言って、梅干し食べたようなちえこに大丈夫、と手を振った。
ちえこが落とした箱に入っていたのはミシュの撮った写真や、ミシュからの手紙だった。
「もしかして彼女」
ちえこは申し訳なさそうに箱を戻すと、正解もないのだがちょいちょいと何度か位置を直したりしている。
「友達だよ」ジョニは手を拭って部屋に入ると苦笑いをした。「もういない」
驚いたちえこに、あわてて生きてるよ。と付け加えるとオオウ、とちえこは言った。
イタリア人でもそんなこと言わない。

ちえこがあまりもので昼食を作ってくれたので、ありがたく食べた。ちえこは料理がうまい。
斎藤とちえこの友達と、四人で鍋をするときにはいつもちえこに任せる。
友達のゆかりさんはそういうときよく、能ある鷹は爪を隠し続ける、と皿を必死に並べる。
「髪を切ってジョニーは別人のようだね」しげしげと正面からちえこが言った。
「昨日も言ってたじゃないか」
「そのうち慣れると思うけど、やっぱり変な感じ」
ちえこは少し元気がなかった。気にしすぎかもしれない。
「またすぐ髪なんて伸びるよ。それよりも、なんか染めてからごわごわする」
「今度髪を切るときは私が切ってあげよう。実家の犬の毛切ったり、結構うまいよ」
犬か、と言うジョニにちえこが笑ったので少しだけ安心をした。
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