Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://matsulibeat.blog95.fc2.com/tb.php/83-5c52d1e1

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

ジョニとミシュの旅

去り際、玄関に女物のパンプスを見つけた。
改めて部屋を見回すと、いたるところに女性の気配を見てとれた。
ジョニの様子に気がついた金子は、笑って首を振る。「彼女とかじゃないよ」
その笑顔がやけに寂しそうでまたジョニは不思議な気持ちになった。
「時々来て世話してくれるけど」
「立派な彼女じゃないか、かわいそうだよ」さっきのお返しとばかりにわざとジョニは意地悪く言った。
「ちゃんとそういう関係にはなれないって言っている。セックスもしない。でも、それでもいいって言うんだよ。いいからお前はさっさと岩手にいけ」
この話はおしまい、といった風にたたみこむとサンダルを履いてジョニと階段を下りた。
「俺は誰とも結婚しないと思う」無言で後ろを歩いていた金子が前触れもなくつぶやいた。
振り返ると、思いつめた表情でジョニのほうをちらりと見やった。
「俺は逃げてしまったんだ。ずっと自分では前に進んでると思っていたけど、そういうことにして結局目をそらしてたんだな。ジョニから電話が掛って来たとき、そのことに気がついた」
いつもの自信に溢れた金子ではなかった。
何か後悔したような様子で、けれどジョニはそれ以上尋ねることができなかった。
「じゃあな、ジョバンニ」金子はビルの下でそう言って手を振った。
ひげは生えていたがどこかすっきりした面持ちだ。
手を振り返しながら久々に本名で呼ばれてジョニはこそばゆかった。
ジョバンニの愛称であるジャンニをジョニーと聞き間違えた友人が高校にいて、そこからジョニに変化していったのだ。
聞き間違えた友人の名は藤井君というのだが、今はどうしているのか。
金子は道を曲がって見えなくなるまでそこに立っていた。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://matsulibeat.blog95.fc2.com/tb.php/83-5c52d1e1

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

神谷アルテ

Author:神谷アルテ
band_with_volt@yahoo.co.jp

ウェブサイト
twitter

バンドのウェブサイト
myspace

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。