Entries

スポンサーサイト

ジョニとミシュの旅

夜から朝になる間に一人だけになる時間帯がある。窓や扉の素材が変わり空気が重くなって、ジョニの呼吸だけ大きくなる。あーと言うと全然反響しないから宇宙みたいだと思う。ベッドで目を覚ましたジョニは暗闇で時計を探した。部屋を片付けたせいで見つけるのに時間がかかる。やっと床の上にある時計を見つけると、午前4時を過ぎていた。喉が渇いたがそのまま再び横になった。感度を最大にして目をつむると川の音が遠くに聞こえて...

ジョニとミシュの旅

カーテンが閉じられていて部屋は薄暗かったが、外の音が昼っぽい。ジョニはのそりと起き上がって時計を見ると午前10時だった。秒針の音だけがひっそりと部屋の中を歩き回っている。ソファからベッドのほうを見ると、ちえこの頭が布団から出ているのが見えた。昨日は三人で酒を飲み、途中で斎藤が帰ったところまでしか思い出せない。そのころにはちえこは酔いつぶれて、ベッドの隅でお祈りのような格好で寝ていた気がする。部屋を出...

ジョニとミシュの旅

ジョニは髪の毛を黒く染める夢を見た。ジョニの毛はブロンドで柔らかい。父親に似てそうなったのか、綿毛のようだとちえこにぐしゃぐしゃとよくされる。その黒い髪をミシュのように真っ黒に染める夢を見た。起きた時にはなんのことだか。「アッバース朝」斎藤がぼそりとつぶやいた。食堂の窓際で、ジョニの向かいに座る斎藤は野菜炒めの茸を見つめている。「キノコ?」「違う。ずっと名前が出なかった 王朝の名前」口に頬張ると斎...

ジョニとミシュの旅

ちえこの話をしよう3年生のときに合評があって、そのときちえことジョニは知り合った。ちえこは短めのボブで、ワンピースを好んで着た。小柄でちょこちょこと歩きまわって、丸顔にいつも驚いたような大きい目がついている。ジョニを見つけると走り寄ってきたり、子供のように笑ったり愛嬌があった。「やあやあ、ジョニィー」仲良くなったきっかけはちえこといつも一緒にいる友達に、ジョニがもう使わない教科書をあげる約束をした...

ジョニとミシュの旅

授業が終わると、ジョニは久し振りに斎藤と飲みに行くことにした。適当に駅前の安い居酒屋に入ると、生ビールで乾杯した。お通しで出された煮物は少し干からびている。斎藤は水のようにビールを飲む。ジョニはふつう。学生の夜は長い、店の中は掃除機かけてるみたいにうるさかった。最近なかなか知った顔に会わないので、就職活動の近況含めてお互いの話をする。ジョニは多少企業を見て回ったが、結局専門学校に行くことにした。内...

Appendix

プロフィール

神谷アルテ

Author:神谷アルテ
band_with_volt@yahoo.co.jp

ウェブサイト
twitter

バンドのウェブサイト
myspace

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。